第1回【あなたに奇跡を起こすやさしい100の方法】のブログで、人生のどん底状態にいたとき私がたまたま手にした本 コリン・ターナー著『あなたに奇跡を起こすやさしい100の方法』が、私の意識を変えてくれ、その時以来「座右の書」になったという話をしました。
『あなたに奇跡を起こすやさしい100の方法』は、100の方法というタイトルのとおり、100個の短い節の編成で、そこに逸話や具体的な例、偉人達の残した言葉を随所に盛り込んで、わかりやすく教えてくれる読みやすい本です。
私はこの本に助けられ、その後も何度も何度も読み返しながら、身をもって学びました。
第2回の今回は、その「座右の書」のなかで5本の指に入る、私の大好きな箇所のうちの一つをご紹介します。
あなたに奇跡を起こすやさしい100の方法【あなたに奇跡を起こすやさしい100の方法】隣の芝生は青い?
「ダイヤモンドを探せ」人のものが良くみえる
私は、20代から30代のころ、人と同じようにすること、人並みか人よりちょっと上でいることで、自分はうまくやっているのだと思っていました。
いわゆる世間の常識、そのころの日本の社会常識に照らし合わせて、それらを持っていれば良く、持っていなければダメなのだ、と思い、持っていないものは努力してなんとかしなければいけないのだ、と思いこんでいました。
私は当時としては女子全体の30%もいない4年制大学を卒業し、最先端のIT企業に入社して楽しく社会人生活を送っていました。
まじめに働いていれば少しずつ給料は増え、ボーナスも何か月分かもらえ、IT系なので当時としては珍しく給料に男女差がなく、社風も自由で良い会社でした。
そのころに「勝ち組・負け組」などという言葉はありませんでしたが、心のなかで、自分はまあまあ良いほうだと思っていました。
実際、子どものころから勉強もしっかりやってきて仕事も一生懸命やってきたほうでしたから、それは当然という傲慢さも根底にあったのだと思います。
そのうち「適齢期」のころに結婚して子どもを持てば、親も喜んでくれるし「娘・嫁・妻・母」として幸せになれるのだと思っていました。
当時の私は、結婚して子どもができて家でも購入すればそれで「人生の上がり」のような感覚で、それから先の長い人生について、自分の望む本当の生き方を考えることができなかった、浅い思考で止まっていました。
結婚し子どもを持ち、少しして、周囲がそうしているからと、またまた「人と同じ」を基準にしてマンションを購入しました。
20代で結婚、30歳あたりで子どもを持ち、その2年後にローンで新築マンション購入。
周りの友人たちもほぼ同じでしたが、私も皆と同じでなくては、皆より劣っていては恥ずかしい、とばかりに同じ行動をしました。
そのころから私は、友人の買ったマンションに比べて少し狭い、とか、同期の友人の旦那さんは出世している、とか、友人は、友人は、と人と比べて一喜一憂する生活になっていってしまいました。
さらには、子どもの保育園でのいわゆる「ママ友」とまで比較し、自分にはあれが足りない、ここが負けている、と悲しく思ったりしました。
それも、その人の実際の生活などわかりもせず、うわべの持ち物や雰囲気、態度だけで比べてしまったり、上から目線でなにか言われると自分を卑下して落ち込んだりしていたのです。
今の時代でも「ママ友」というのは、旦那さんの勤務先や収入、自分の持ち物、子どもの成績など、つまらないことで比較し合って、表面上は仲良くしていても実は人間関係に苦しんでいる、という人も多いと聞きます。
ご多分にもれず、その当時の私もその一人で、つねに周りと比べてはなんとか周りと同じようにしていなくてはいけないともがいていたのです。
ですが、私の持っているものよりいくらでも上の人たちがいます。
高学歴高収入の夫を持つ人、実家がお金持ちの人、きつい性格でやたらと自慢する人、本人がとても優秀な人、旦那さんの家が商売をしていて裕福な人、ベンツに乗っている人、毎年夏休みに家族で海外旅行に行く人・・・
「比べないようにしよう」と思うのに、逆に自分にはあれがない、これがないと、自分のないところばかりに目が行ってしまい、人のことはよく見えてしまってばかりでした。
いつのまにか、人よりまあまあ良いほうかな、などと思っていた自分が、30代のころは周囲より劣っているように見えてきてしまっていました。
その「周囲」とは、自分の住んでいる近場と、自分の友達くらいのもので、狭い狭いくくりの中だけのことでしたが。
「ダイヤモンドを探せ」失ってから気づく、私が持っていたもの
今の私なら、このように書いているだけでバカバカしく思えます。
ママ友が家族で海外旅行に行ってきたからといって、友達の旦那さんがお医者さんで高収入だからといって、いちいち比較したところで仕方ないことです。
そもそも、負けないように努力したら明日にはお医者さんの奥様になれるというわけではない。
さらに、友人と同じように「お医者さんの奥様」になりさえすれば幸せなのか、と言えば、それは全く次元の違うこと。
自分は変えられるし、未来は自分が今から決めて覚悟すれば変えることができるけれど、自分の周囲の人が明日急に変わるなんてことはありません。
なのに私は周りが変わってくれればいいのに、夫がもっと変わってくれればいいのに、と不満に思っていました。
第1回【あなたに奇跡を起こすやさしい100の方法】のブログで書いたように、いろいろな原因が重なり、私は離婚して田舎の実家に帰りました。
人と比べてばかりいた私は、とうとう、もはや人と比べることさえできないほど、すべてを失ってしまいました。
持っていた家庭、なによりも、自分の命より大切とさえ思うほどかわいくてたまらなかった私の産んだたった一人の息子、18歳のときから20数年ものあいだ生活して確立してきた仕事のキャリアや人間関係、もちろん財産も、それらすべてを一気に失ってしまったのでした。
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「ダイヤモンドを探せ」(ダイヤモンド地所)のおはなしとは
この『あなたに奇跡を起こす100の方法』の87番目の項目に「ダイヤモンド地所」という逸話が出てきます。
すべて失い、失意のどん底で2年ほど苦しみ続けていた私が、この本の「ダイヤモンド地所」の箇所を読んだときの衝撃は忘れられません。
あるアフリカの農夫の話が出て来るのですが、その農夫はまるで私そのものだったからです。
その農夫の話は『ダイヤモンドを探せ』という題名の本になっています。
原題は『Acres of Diamonds』と言うのですが、もともとはラッセル・コンウェルという人が講演で話されたことで、コンウェル氏は生前、世界中でこの話を6152回も講演したと言われています。
コンウェル氏は、その6,000回以上の講演で稼いだ資金でテンプル大学を設立しました。
本は1890年に出版され、100年以上経った今もなお語り継がれています。
『あなたに奇跡を起こす100の方法』の中では「ダイヤモンド地所」という題名で紹介されています。
これは、アフリカの農夫の実話である。
ダイヤモンド鉱山を発見して富を築いた農夫たちの話を聞いて興奮したこの農夫は、自分の農地を売り、宝石を探してあちこちをさまよい、惨めな人生を送る。
最後にはすべてを失い、落ちぶれ果て、孤独な彼は、川に身投げをするのである。
彼の農地の新しい持ち主は、そこの川床で美しい石を見つけ、家の暖炉の上に飾っておいた。
あるとき訪れた客が何気なくそれを点検すると、信じられないことがわかった。
それは世界最大のダイヤモンドだったのだ。
最初の農夫がダイヤモンド鉱山を見つけるために処分したその農地は、ヨーロッパ大陸で最も豊かなダイヤモンド鉱山となった。
その農夫はすでに何エーカー分ものダイヤモンドを所有していたのに、それらを別の場所に求めて結局はすべてを失った。
この農夫はペルシャ人という説もあり、ダイヤモンド地所はインダス川あたり土地のことを指すともいう。
だがその実話の検証よりも大切なこと、この話から導く哲学は「チャンスはダイヤモンドの原石と同じように姿をやつしている」ということなのです。
「ダイヤモンドを探せ」それでも今、私が持っているダイヤモンドは?
ダイヤモンドは、原石のごつごつしたままではダイヤモンドに見えない。
チャンスもまた同じで、チャンスを掴むときというのは「これはチャンスですよ」と誰から見てもはっきりわかるものでは絶対にない、ということです。
チャンスが目の前にあっても、ほとんどの凡人にはそれがチャンスに見えないのです。
「チャンス」は、どこか遠くに探しに行って見つけてくるものではなく、今自分が立っている場所、手の届くところに、気がつかれずにもともとあったのだ、ということなのです。
今いるところから、自分のダイヤモンドの原石だと思うものを注意深く探し、それを磨く準備をする、磨く行動をはじめる、そうしてやっと、それが「ダイヤモンドの原石」だったのかなとわかるものです。
この「ダイヤモンド地所」の箇所を読んだ時の私の衝撃!
失って初めて気がついた、持っていたダイヤモンド。
後悔や自分への怒りや反省やいろいろな感情がごちゃ混ぜになって涙が溢れました。
ですがそんななか「それでも、今、この本で気づかされたのだとしたら、今すべて失ったと思っている私でも、実は持っているものがある、チャンスにつながるものを今持っているのではないか?」と考えなおしたのでした。
【あなたに奇跡を起こすやさしい100の方法】現状に満足するのではなく現状に感謝をする
「ダイヤモンドを探せ」私はダイヤモンド地所に立っている
もちろん、この「ダイヤモンド地所」の部分を読んですぐに、考え方がガラッと変えられた、とまでは言いません。
ですが「今からでもなにかできる、今の私でも持っているものはある」と思えるようになっていました。
同じ轍を踏まないように、これ以上みじめにならないようにしたい。
「今この場所にいることに、不平不満や過去の幻想や悲しみばかりを抱いて生きていても仕方ないのだ」と思いました。
今の私が、なにかできることからやってみようと思えるようになれたのでした。
そうです!
すべて失ったと嘆いてばかりの私でしたが、その私は、両親の愛情のもと自宅(実家)に住んでいて、衣食住に困るような金銭的不自由をすることなく、自分がやり直すことだけを考えればよいという恵まれた環境にいたのです。
「ダイヤモンドを探せ」ダイヤモンドの原石は光っていない
不思議なことに、意識が変わって2カ月ほど後のこと、ある出会いから、私は田舎の地元であるボランティア的な活動に加わりました。
するとその活動で共通の多くの仲間ができ、知り合いも増え、その活動で重要な役を任されて忙しくなり、孤独感はなくなっていました。
その活動が成功裏に終わって、さあ元の生活に戻るのかなと思っていたところ、その仲間だった人から「こういう仕事があるけど応募してみないか」と、紹介してもらえたのです。
「よまさんなら、PCは使いこなせるし、企画したり集会イベントを立案したりできていたから、この仕事はきっと向いてますよ」と推してくれたのです。
私は創業間もないある会社に入ることになりました。
その後の数年で、その会社は急成長し売上も大きく延び、メディアに取り上げられるほどでした。
私はその会社での約10年弱の間に、係長になり、売上げを何倍にも伸ばした実績で課長を飛ばして部長になり、執行役員にまでなりました。
40歳を過ぎたバツイチ女性が、そこまでできました。
この10年間は、夜10時まで働くのが日課でした。
土日は休みの会社でしたが、やるべきことが多くて、ほぼ毎週土曜日は出勤していました。
管理職なので残業代など1円ももらえませんが、そんなことよりも、自分の企画でどんどん売上が上がるのが楽しかったのです。
花形部署のトップだったせいで別の部署の男性部長から足を引っ張られたり、きつくあたられたりもしましたが、仕事自体はやりがいがあって楽しく、仲間たちと切磋琢磨する価値ある時間を過ごせたと思います。
おもえば、創業間もない小さな会社は、ダイヤモンドかまがい物かもわからない石です。
「私がこの石をダイヤモンドにしてみせる」と思って頑張りました。
会社を、ではなく、私自身を、「石っころ」から「ダイヤモンド」のように少しでも光る存在になるために、磨きたかったからです。
【あなたに奇跡を起こすやさしい100の方法】挑戦する気持ち・チャンスをつかむ行動
あの10年のおかげで、今の私があります。
その後も転職と引っ越しを重ね、今、自分がやりたい仕事を引き寄せています。
あれ以来、私は「挑戦すること」が怖くなくなりました。
なんでもすぐに、まずはやってみよう、と思う人間になりました。
なぜなら、あれから大小いくつかの挑戦をしてきましたが、どれも大きな失敗などなく、やって後悔してたまらないなんてことはひとつもないからです。
やってみてダメだったり、すぐに飽きてやめた趣味だったり、良い話だと思って人に会ってみても胡散臭そうでそのまま終わったり、ということもありました。
多少のお金をかけたものもあり、無駄だったこともあります。
ですが、それはそれでよい経験になったと思うだけです。
そして、そのようになんでもすぐに行動する、挑戦するという姿勢でいると、すぐに次々と、興味を惹かれることやチャンスが引き寄せられるようにやってくるのです。
偶然が重なって出会った人と、ひょんなことから仕事につながったりとか。
今では、周囲から「なんて運が良い人」と良く言われるようになりました。
昔からの友人たちに「いつも前向きで明るくて行動力があって尊敬するわ」と言われるようになりました。
その昔、「友人たちは私より良いものばかり持っているように見えて、私は劣っている」とあんなに比べてうらやましく思っていた友人たちに。
生き方が全く違っている今は、私はだれとも比べることはありません。
昨年の私より、今の私は成長できているか? 楽しく生きているか?だけを比べています。
現状に満足していません。もっと先まで、行けるところまで行きたいから。
ですが私は、現状に感謝しています。
こうしていられる今と過去のすべてに、とても感謝しています。
アラフィフの今、「やりたいことをやる」
そうやっているとチャンスをつかめるのです。
というよりも「チャンスをつかめる!」と、毎日なにげに思い込んでいられる、その心の状態がすでにチャンスをつかんでいるのであり、幸せなのだと思います。
もしもあなたが今、なにかに悩んだり躊躇したりしているのなら、どうか、今その場所で今すぐにできることから行動していってほしいと思います。
昔の私のように、外のどこかに何かを求めたり、誰かが変えてくれることを待っていないでください。
よま